貸金返還請求の消滅時効は、2020年4月からの改正法によって時効完成の期間が変わりました。

この記事を参考にして消滅時効の完成に気をつけましょう。

結論

貸付日によって後記改正法の適用を受けるかどうか異なる

貸付日が2020年4月以前なら旧法、2020年4月以降なら改正法が適用

時効期間の始期は返還時期がある場合はその日から、返還時期を決めていない場合には貸付日から

具体例

➀2019年1月1日に貸し付けて、返還時期を決めていない場合

→時効完成は2029年1月1日(旧法適用のもと貸付日から10年経過時)

➁2019年1月1日に貸し付けて、2021年1月1日を返還時期とした場合

→時効完成は2031年1月1日(旧法適用のもと返還時期から10年経過時)

➂2021年1月1日に貸し付けて、返還時期を決めていない場合

→時効完成は2026年1月1日(改正法適用のもと貸付日から5年経過時)

民法改正

2020年4月からの改正法

・債権者が権利を行使することができることを知った時から5年行使しないとき

・権利を行使することができるときから10年行使しないとき

改正前(旧法)

債権を10年行使しないとき

ただし、商事債権は5年間行使しないとき

経過措置

改正前に債権が生じた場合には改正前の規定による。

時効の完成猶予又は更新

時効の完成猶予

一定の完成猶予事由が生じた場合に、所定の期間、時効の完成が猶予されるもの。

具体例

➀裁判上の請求、強制執行申立て等

→終了時まで完成猶予

➁仮差押え申立て等

→終了時から6か月間の完成猶予

➂催告

→催告時から6か月間の完成猶予

時効の更新

時効の更新とは、一定の更新事由が生じた場合に、時効の進行が一度リセットされ、再度時効期間が進行するもの。

具体例

➀裁判上の請求、強制執行申立て等

→確定判決等、強制執行申立て等の終了により更新。

➁債務の承認

まとめ

2020年4月からの改正法では権利を行使できることを「知った時から5年」と「行使できるときから10年」の2週類がありますが、貸金返還請求等の契約関係を前提とする場合には基本的に5年の時効期間が問題になります。

その結果、改正法のもとで時効期間が短縮されていますので、もし時効の完成が迫っている場合には催告するなどして時効の完成猶予を得ておくことが重要です。

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