「特定継続的役務提供」という言葉はあまり聞きなれないかもしれません。これは、特定商取引法で定められたもので、長期間にわたり継続してサービスを受け、その対価として高額な支払いを約束する契約のことを指します。
具体例
- エステティックサロン(1か月以上で5万円超)
- 美容医療
- 語学教室(2か月以上)
- 家庭教師
- 学習塾
- パソコン教室
- 結婚相手紹介サービス
などが該当します。
このような契約は「クーリングオフ」という、一定期間内であれば無条件で解約できる制度が適用されます。
クーリングオフとは?どうやって行うのか?
クーリングオフの基本
クーリングオフは契約書面を受け取った日から8日以内に行う必要があります。この期間内であれば、理由なく契約解除が可能です。
クーリングオフのやり方
- 書面で通知する方法
ハガキや手紙に以下を記載して、簡易書留など証拠が残る方法で送ります。- 契約日
- 商品やサービス名
- 契約金額
- 事業者名
- 「契約を解除します」といった意思表示
- 自分の住所・氏名・日付
- メールやFAXなど電磁的記録で通知する方法
メールやFAXでも可能ですが、送信記録を保存しましょう。
注意点
- 期限の8日を過ぎるとクーリングオフできません。
- 契約書面が交付されていない場合は、クーリングオフ期間が進まないため、契約から時間が経っていてもクーリングオフできる可能性があります。
クーリングオフ期間後の解約(中途解約)
クーリングオフ期間を過ぎた後でも、中途解約は可能です。ただし、違約金が発生する場合があります。
違約金の上限はサービス開始前か後かによって異なります。たとえば、エステサロンならサービス開始前は最大2万円、開始後はサービス利用済み分の料金+違約金(最大2万円または残額の10%の低い方)です。
契約解除が難しい場合も相談を
クーリングオフや中途解約ができない場合でも、
- 契約書に不備がある
- 詐欺や錯誤がある
などの場合には契約の取消しが認められることがあります。
トラブルがあったら、早めに消費生活センターや弁護士に相談しましょう。
まとめ
特定継続的役務提供は、長期間・高額な契約で消費者の負担が大きくなりやすいため、法律でクーリングオフや中途解約のルールが定められています。
契約内容や期間をよく確認し、解約したい場合はできるだけ早く行動しましょう。期限が過ぎても、契約書の不備や契約締結時の問題
で解約できる場合もあるため、まずは専門家に相談することをおすすめします。
【監修】

- 代表弁護士
- 年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
「より良い解決」「迅速な解決」を大事にしており、個々の事案に適したスピーディな進行・解決を心がけています。
まずはお気軽にご相談ください。
詳細は弁護士紹介ページをご覧ください。
最新の投稿
消費者被害2025年7月26日弁護士が解説!特定継続的役務提供とは?解約のポイントもわかりやすく解説
労働問題2025年7月25日「休憩時間が取れない…」それって違法?残業代を請求できるケースとは
債務整理2025年7月24日自己破産後の生活はどうなる?普通の暮らしを取り戻すためのポイントを紹介
不動産2025年7月23日「やっぱり解約したい…」──不動産売買におけるクーリングオフ制度とは