バイクと車の事故が起きたとき、「どちらがどれだけ悪いか(=過失割合)」を巡って揉めるケースは少なくありません。
例えば、交差点でバイクが直進してきて車が右折しようとしたとき、あるいは渋滞中にすり抜けをしたバイクと車が接触したとき――。事故の状況によって、過失の割合は大きく変わってきます。
しかし、事故直後は冷静な判断が難しく、相手方の主張や保険会社の説明に納得できないまま示談してしまう方もいます。
そこで今回は、バイクと車の事故における代表的な過失割合の考え方と、トラブルを避けるために弁護士に相談・依頼すべき理由について、分かりやすく解説します。
バイクと車の事故でよくある「過失割合」の例
交通事故の責任は「何対何で悪いか」を数値で示すのが一般的です。これを「過失割合」といいます。
以下は、実際によくあるバイクと車の事故パターンと、典型的な過失割合です(あくまで基本的な目安で、状況によっては変わります)。
事故の場面 | 基本的な過失割合(バイク:車) |
---|---|
バイクが青信号で直進中、車が赤信号無視 | 0:100 |
信号のない交差点で出合い頭(バイクが左方) | 30:70 |
車が右折、バイクが直進(信号あり) | 15:85 |
バイクが右折、車が直進(信号あり) | 70:30 |
車が左折、直進バイクと接触(巻き込み) | 20:80 |
バイクが左折、直進車と接触 | 60:40 |
バイクがすり抜け中、右折車と衝突 | 30:70 |
車のドアが急に開き接触 | 10:90 |
バイクが追突された | 0:100(ただし例外あり) |
ポイント
「バイクだから軽い」「車だから重い」といった印象ではなく、事故の状況と交通ルールに照らして冷静に判断されるのが基本です。
過失割合は“変わる”ことがある
同じ事故パターンでも、次のような事情があると過失割合が修正される場合があります。
- 見通しの悪い交差点
→右方車の注意義務が増し、過失割合が加算されることも。 - 幹線道路かどうか
→国道など通行量の多い道路では、脇道から出た車両の過失が重く見られます。 - 徐行・減速していたか
→一時停止や徐行義務が守られていたかで評価が分かれます。 - 夜間・雨天など視界の悪さ
→追突やドア開放事故では、バイク側の過失が減る場合があります。 - 危険運転の有無
→スマホ操作・信号無視・酒気帯び運転などがあると、重過失として大きく修正されます。
事故直後にやっておきたい5つのこと
事故の後、「言った・言わない」や「証拠がない」ことから不利になるケースは多くあります。次のような行動を早めにとっておくことが大切です。
(1)ドライブレコーダーを確認・保存
事故の瞬間が映っている映像は極めて重要です。上書きされる前に保護しましょう。
(2)目撃者や防犯カメラの映像を探す
証言や周辺映像は、事故状況の客観的証拠になります。
(3)事故状況をメモする
何時・どこで・どう動いたかを、できるだけ詳しく書き留めましょう。
(4)事故現場をスマホで撮影する
事故車両の位置、周囲の状況など、複数の角度から残しておくと有効です。
(5)加害者との会話を録音しておく
「信号を見落とした」「一時停止しなかった」などの発言が後の証拠になります。
過失割合でもめないために、弁護士に相談を
事故直後は、保険会社から過失割合を一方的に伝えられることも少なくありません。しかし、その判断が本当に正しいとは限らないのです。
弁護士に相談するメリット
✔ 適正な過失割合に修正できる可能性がある
事故状況や証拠から適切な判断がされるよう主張・立証をサポートします。
✔ 保険会社との交渉を任せられる
精神的負担を減らしつつ、有利な条件での示談を目指せます。
✔ 慰謝料が増額できる可能性がある
弁護士に依頼すると、一般より高額な「裁判基準」での交渉が可能になります。
まとめ
バイクと車の事故は、ちょっとした状況の違いで過失割合が大きく変わる繊細な分野です。
事故直後の対応次第で、補償額や示談内容に大きな差が出ることも少なくありません。
「この割合って本当に妥当なの?」「保険会社の提示額に納得できない…」
そんなときは、一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。
【監修】

- 代表弁護士
- 年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
「より良い解決」「迅速な解決」を大事にしており、個々の事案に適したスピーディな進行・解決を心がけています。
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