休憩が取れなかった分は、残業代として請求できます

「昼休みも働いているのに、これって違法じゃないの?」「証拠がないと泣き寝入りするしかないのかな」——そう感じている方は多いです。

結論から言うと、休憩時間が取れなかった場合、その時間分の賃金(残業代)を会社に請求することができます。「うちはそういうものだから」「みんなそうしているから」では済まされない、れっきとした労働者の権利です。

この記事では、請求できる金額の計算方法から証拠の集め方、会社への請求手順まで、横浜キャピタル法律事務所の弁護士が解説します。


1. 労働基準法の休憩ルールと違反した場合の罰則

労働基準法第34条では、休憩時間について以下のように定めています。

労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければなりません。

これは会社側の義務であり、労働者が「休憩しなくていい」と言っても免除されません。また、休憩中に電話対応や来客対応を求められる「手待ち時間」は休憩とは認められず、労働時間としてカウントされます。

この規定に違反した場合、会社には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります(労働基準法第119条)。

例:1日8時間勤務の会社で昼の1時間休憩が実質取れていない場合、毎日1時間分の賃金が未払いになっています。月20日勤務なら月20時間分、年間240時間分の未払い賃金が発生している計算になります。


2. 請求できる金額の計算式

休憩が取れなかった時間は「労働時間」として扱われます。その時間が法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えていれば、割増賃金(残業代)の対象になります。

計算式は以下のとおりです。

時給 × 1.25 × 取れなかった休憩時間 = 請求できる金額

具体例として、時給1,500円で毎日1時間の休憩が取れていない場合、1日あたり1,500円×1.25=1,875円の残業代が発生します。月20日勤務なら月3万7,500円、年間では45万円になります。

さらに、未払い賃金には遅延損害金(年3〜14.6%)も加算されます。過去2年分(場合によっては3年分)までさかのぼって請求できるため、総額はさらに大きくなる可能性があります。


3. 証拠の集め方

「証拠がないから無理」と思っている方は多いですが、日常的に記録しているものが証拠になるケースがほとんどです。

タイムカードや出退勤記録は最も強力な証拠です。コピーや写真を手元に保存しておきましょう。会社が開示を拒む場合でも、弁護士を通じて取得できます。

業務メールやチャットの記録も有効です。休憩時間中に業務指示を受けたメール、昼休みにやり取りしたチャットログなどは、その時間に働いていた証拠になります。

スマートフォンのメモアプリへの記録も使えます。「今日も昼休みに電話対応があった」という日記的な記録でも、継続的に残していれば証拠として機能します。

同僚の証言も有効です。同じ状況で働いている同僚が「休憩が取れていなかった」と証言できれば、証拠として使えます。

会社に「休憩が取れていない」と伝えたLINEやメールも重要な証拠になります。「休憩取れてないんですが…」という何気ないやり取りも保存しておいてください。


4. みなし残業がある場合でも請求できるケース

「うちはみなし残業(固定残業代)があるから、休憩分は含まれている」と言われるケースがあります。しかし、みなし残業制度があっても、設定された残業時間を超えた分や、制度の設計が不適切な場合は追加請求できます。

また、そもそも休憩時間を与えないこと自体が労働基準法違反であり、みなし残業制度で免責されるものではありません。「みなし残業があるから問題ない」という会社の言い分を鵜呑みにする必要はありません。


5. 会社への請求手順

まずは口頭または書面で会社(上司・人事・総務)に「休憩が取れていないため、その時間分の賃金を支払ってほしい」と伝えます。このとき、伝えた事実をメールやLINEで記録に残しておくことが重要です。

会社が無視または拒否した場合は、労働基準監督署に申告する方法があります。労基署は無料で相談でき、会社への調査・是正勧告を行う権限を持っています。

それでも解決しない場合や、金額が大きい場合は弁護士への相談が有効です。弁護士が交渉・請求することで、会社が態度を変えるケースは少なくありません。


6. 弁護士に相談すべきケース

以下のケースは早めに弁護士に相談することをお勧めします。会社が「そんな事実はない」と否定している場合、請求したことで嫌がらせや不利益な扱いを受けた場合、未払い金額が大きい(50万円以上)場合、会社がすでに倒産・廃業している場合です。

弁護士に依頼することで、証拠の収集、未払い額の計算、会社との交渉、必要に応じた訴訟までをまとめて対応できます。


まとめ:まずは記録を残すことから始めてください

休憩が取れなかった事実は、継続的に記録しておくことで証拠になります。今日からでも遅くありません。スマートフォンのメモに「今日も昼休みに対応があった」と記録するだけでも、積み重なれば強い証拠になります。

「自分だけが声を上げるのは怖い」という気持ちはよくわかります。しかし、これはあなたが当然受け取るべき賃金の話です。

横浜キャピタル法律事務所では、未払い残業代に関するご相談を承っております。「証拠が十分かどうかわからない」という段階でも、まずはご相談ください。

【監修】

米玉利大樹
米玉利大樹代表弁護士
年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
「より良い解決」「迅速な解決」を大事にしており、個々の事案に適したスピーディな進行・解決を心がけています。
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