よく「交通事故の慰謝料は1日8,400円」と言われますが、これは非常に限定的なケースでの計算結果です
過去の自賠責保険の計算式(令和2年4月1日以前)で、「入通院慰謝料が1回の通院=1日×8,400円」となることがありましたが、これは例外的なケースに過ぎません 。
慰謝料は「一律」ではない
- 事故の怪我の重さや通院日数、後遺症、死亡など、ケースによって金額は大きく異なります 。
- 基準は主に3種類:
- 自賠責基準(最低補償)
- 任意保険基準(保険会社独自の基準)
- 弁護士基準(裁判所基準)(最も高額で適正とされる基準) 。
慰謝料の目安
自賠責/任意/弁護士基準ごとの相場(一部抜粋):
- 入通院慰謝料(重症)
1ヶ月:自賠責 約17万円/任意 約25万円/弁護士 約52万円
6ヶ月:自賠責 約51万円/任意 約64万円/弁護士 約116万円 。 - 後遺障害慰謝料(等級により変動)
例:14級なら自賠責 約32万円/任意 約40万円/弁護士 約110万円 。 - 死亡慰謝料
自賠責 約400~1,350万円/任意 約1,100~2,000万円/弁護士 約2,000~2,800万円 。
増額・減額されるポイント
増額が期待できる場合:
- 加害者に重い過失(例:飲酒運転、ひき逃げ)がある
- 後遺障害が重い、通院日数が多い、弁護士基準で請求するとき 。
減額される場合:
- 被害者にも過失がある
- 通院が少ない、後遺障害が認定されていない、物損扱いにされた場合など 。
適正な慰謝料を得るには
- 事故直後からしっかりと通院し、診断書を取得することが重要。
- 示談の前に弁護士に相談・依頼することで、より適正な「弁護士基準」で請求でき、金額が大幅にアップする可能性があります 。
まとめ
交通事故の慰謝料は、「1日8,400円」と一律に決まっているわけではありません。
実際は通院期間や怪我の程度、後遺障害の有無などに応じて大きく変わります。
特に、弁護士基準で請求することで数倍~数千万円規模で増額できる可能性があるため、適正額を得るためには早めの弁護士相談が鍵となります。
【監修】

- 代表弁護士
- 年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
「より良い解決」「迅速な解決」を大事にしており、個々の事案に適したスピーディな進行・解決を心がけています。
まずはお気軽にご相談ください。
詳細は弁護士紹介ページをご覧ください。
最新の投稿
交通事故2025年9月29日「逸失利益」をどう計算する?──カギを握る「ライプニッツ係数」とは
債権回収2025年9月27日不倫や売春が絡む貸付金は返してもらえる?
交通事故2025年9月25日交通事故の慰謝料「1日8400円」の誤解!?正しい慰謝料の考え方を解説
交通事故2025年9月23日軽い接触事故でも「人身事故扱い」にするべき理由とは?