エステや英会話の長期契約、解約できずに困っていませんか?

「高額なエステの契約をしてしまったが、すぐに解約したい」「英会話スクールを途中でやめたいが、返金してもらえるか不安」——こうしたトラブルは非常に多く、特定商取引法の「特定継続的役務提供契約」という制度で消費者が守られています。

この記事では、特定継続的役務提供契約の意味、対象となるサービス、クーリングオフと中途解約の方法、業者が拒否した場合の対処法まで、横浜キャピタル法律事務所の弁護士がわかりやすく解説します。


1. 特定継続的役務提供契約とは何か

特定継続的役務提供契約とは、長期間・高額にわたるサービス契約を規制する、特定商取引法上の制度です。難しい言葉ですが、要するに「高額な長期サービス契約から消費者を守るルール」です。

なぜこのルールが必要かというと、エステや学習塾などの長期契約は、契約時に全額または高額の前払いを求められるケースが多く、途中でやめたくなっても返金を拒否されるトラブルが後を絶たないためです。

特定商取引法はこうしたトラブルを防ぐため、クーリングオフ(無条件解約)と中途解約の権利を消費者に与えています。


2. 対象となるサービスの一覧

特定継続的役務提供契約の対象となるサービスは法律で定められています。

エステティックサービスは契約期間が1ヶ月超かつ契約金額が5万円超の場合が対象です。美容医療は契約期間が1ヶ月超かつ契約金額が5万円超の場合です。語学教室(英会話など)は契約期間が2ヶ月超かつ契約金額が5万円超です。家庭教師は契約期間が2ヶ月超かつ契約金額が5万円超です。学習塾は契約期間が2ヶ月超かつ契約金額が5万円超です。パソコン教室は契約期間が2ヶ月超かつ契約金額が5万円超です。結婚相手紹介サービスは契約期間が2ヶ月超かつ契約金額が5万円超です。

上記の条件を満たしていれば、たとえ「解約不可」と契約書に書いてあっても、法律上の権利としてクーリングオフや中途解約を主張できます。契約書の記載より法律が優先されます。


3. クーリングオフできる期間と方法

クーリングオフとは、契約後一定期間内であれば、理由を問わず無条件で契約を解除できる制度です。

特定継続的役務提供契約のクーリングオフ期間は、契約書面を受け取った日から8日間です。この8日間以内であれば、どんな理由でも、業者の同意なく解約できます。違約金も発生しません。

クーリングオフの方法は書面(手紙)またはメールで行います。口頭では後で「言った・言わない」のトラブルになるため、必ず記録が残る方法で行ってください。

書面で行う場合は、以下の内容を記載して書留郵便で送ります。

【クーリングオフ通知書の文例】

通 知 書

私は、令和〇年〇月〇日に貴社と締結した〇〇サービス契約(契約金額〇〇万円)について、特定商取引法第48条に基づきクーリングオフを行使します。

ついては、支払済みの金額〇〇万円を速やかに返金してください。

令和〇年〇月〇日 氏名:〇〇 〇〇 住所:〇〇県〇〇市〇〇町〇番地 電話:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

メールで行う場合は、上記と同じ内容を送信し、送信済みのメールを保存しておいてください。

クーリングオフ通知の発信日が8日以内であれば有効です。業者が受け取った日ではなく、あなたが発送・送信した日が基準になります。


4. 中途解約できるケースと返金の計算方法

8日間のクーリングオフ期間を過ぎていても、中途解約は可能です。ただしクーリングオフと異なり、違約金が発生します。

特定商取引法では、業者が請求できる違約金の上限が定められています。

サービス開始前に解約する場合、違約金の上限は契約金額の20分の1(5%)または2万円のいずれか低い方です。

サービス開始後に解約する場合、違約金の上限は「すでに提供されたサービスに相当する金額」と「契約残額の10分の1(10%)または5万円のいずれか低い方」の合計です。

たとえば、50万円のエステコースで10回中3回利用した時点で解約する場合、すでに提供されたサービス分(50万円÷10回×3回=15万円)と違約金上限(残額35万円×10%=3万5,000円)の合計18万5,000円が最大の請求額です。50万円から18万5,000円を引いた31万5,000円が返金されるべき金額になります。

これを上回る違約金を請求された場合は、法律上支払う義務はありません。


5. 業者が解約・返金を拒否した場合の対処法

「契約書に解約不可と書いてある」「違約金として全額払ってもらう」などと言われても、特定商取引法の規定は契約書より優先されます。業者の言い分を鵜呑みにする必要はありません。

まずは内容証明郵便で解約通知と返金請求を送ることをお勧めします。書面で請求することで、業者が態度を変えるケースは少なくありません。

それでも解決しない場合は、国民生活センターや消費生活センターへの相談、弁護士への依頼という選択肢があります。弁護士が交渉・請求することで、返金が実現するケースは多いです。


6. クーリングオフ・中途解約でよくある業者の言い分と反論

「契約書にサインしたから解約できない」という言い分には、特定商取引法の規定は契約書より優先されます。サインしていても権利は行使できます、と反論できます。

「すでにサービスを開始しているから返金できない」という言い分には、サービス開始後でも中途解約は可能であり、返金額は法律で定められた計算式に基づきます、と反論できます。

「クーリングオフ期間はもう過ぎている」という言い分には、正しい書面を交付していない場合、クーリングオフ期間は延長されます。契約書の記載内容を確認することが重要です、と反論できます。


7. 弁護士に相談すべきケース

以下のケースは早めに弁護士に相談することをお勧めします。業者が返金・解約を一切拒否している場合、違約金として高額な請求をされている場合、契約金額が大きい(50万円以上)場合、業者がすでに廃業・倒産している場合です。

特に業者が強硬に拒否している場合、弁護士が介入することで交渉が動くケースがほとんどです。


まとめ:「解約できない」は嘘かもしれません

特定継続的役務提供契約の対象となるサービスであれば、契約書に何と書いてあっても、法律上クーリングオフと中途解約の権利があります。

「もう諦めるしかない」と思っている方も、まず契約書と法律上の権利を照らし合わせることが重要です。横浜キャピタル法律事務所では、特定継続的役務提供契約に関するご相談を承っています。

【監修】

米玉利大樹
米玉利大樹代表弁護士
年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
「より良い解決」「迅速な解決」を大事にしており、個々の事案に適したスピーディな進行・解決を心がけています。
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