「うちは50人いないから関係ない」 これまでそう思っていた中小企業の経営者様、その常識が変わろうとしています。
労働安全衛生法の改正議論において、これまで従業員50人以上の事業場にのみ義務付けられていた「ストレスチェック」を、50人未満の全事業場にも義務化する方針が固まりつつあります。 メンタルヘルス不調による休職・離職が中小企業でも急増している今、法改正は目前です。
しかし、小規模事業者にとって最大の壁は「コスト」と「実施体制(産業医がいない)」。 本記事では、義務化の背景と、中小企業だけが使える国の無料サポートや助成金について解説します。
「50人の壁」撤廃へ。なぜ今、義務化拡大なのか?
2015年に始まったストレスチェック制度ですが、これまでは「従業員50人未満」の事業場は「当分の間、努力義務」とされていました。 しかし、2026年現在の厚生労働省の検討会では、以下の理由から全規模への適用拡大が提言されています。
- 小規模ほど深刻:大企業に比べ、相談窓口などのケア体制が不十分で、発見が遅れがち。
- メンタル不調の増加:若手社員を中心に、職場環境に起因する精神障害の労災認定件数が高止まりしている。
この流れを受け、早ければ来年度(2027年度)以降の完全義務化を見据え、先行して導入を始める企業が増えています。
最大の課題「産業医がいない」をどうする?
ストレスチェックを実施するには、「実施者(医師・保健師など)」や、高ストレス者への「面接指導(医師)」が必要です。しかし、50人未満の事業場には産業医の選任義務がありません。
「わざわざストレスチェックのために医師と契約しなければならないのか?」 ここで活用すべきなのが、**「地域産業保健センター(地さんぽ)」**です。
▼ 「地さんぽ」なら原則無料
地域産業保健センターは、労働者50人未満の事業場を対象に、産業保健サービスを無料で提供している公的機関です。
- 高ストレス者の面接指導:無料で医師が対応してくれます。
- 長時間労働者の面接指導:これも対応可能。
まずは管轄の「地さんぽ」に登録・相談することで、「医師がいない」というハードルはクリアできます。
コストを抑える! 今使える「助成金」活用ガイド
外部のストレスチェック代行業者を使う場合でも、国(労働者健康安全機構)の助成金を活用すれば、実質的な負担を大幅に減らせます。
「ストレスチェック助成金」
従業員50人未満の事業場が、医師と契約してストレスチェックを実施した場合に支給されます。
- 助成額(例):
- 実施費用:従業員1人につき 500円(上限あり)
- 実施者(医師)への活動費:1回あたり 21,500円(上限あり)
- ※金額や要件は年度ごとに更新されるため、最新の公募要領の確認が必須です。
また、職場環境改善に取り組むための**「心の健康づくり計画助成金」**(一律10万円など)も併用できる場合があります。これらを活用すれば、コストをかけずに法対応と職場改善が可能です。
義務化前に準備すべき3ステップ
いきなり義務化されて慌てないよう、今年のうちに以下の準備を進めましょう。
- 「衛生推進者」の確認 10人以上50人未満の事業場には「衛生推進者」の選任義務があります。まずはこの担当者を決め、メンタルヘルス対策の窓口としましょう。
- Webサービスの選定 紙のマークシートは集計が大変です。現在は「50人未満なら月額数千円」で使える安価なクラウド型ストレスチェックサービスが充実しています。
- 社内ルールの周知 「結果は会社に勝手に見られない(本人の同意が必要)」という原則を社員に伝え、安心して受検できる土壌を作っておくことが重要です。
まとめ
「義務化だからやる」という受け身の姿勢ではなく、**「貴重な人材の離職を防ぐツール」**としてストレスチェックを活用する意識が大切です。
50人未満の企業こそ、一人の離職が経営に与えるダメージは甚大です。 まずは無料の「地域産業保健センター」への相談や、助成金の申請要件を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
【監修】
- 代表弁護士
- 年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
「より良い解決」「迅速な解決」を大事にしており、個々の事案に適したスピーディな進行・解決を心がけています。
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