「実質従業員を解雇することはできない」と聞くことがあると思います。このコラムでは、実際に従業員を解雇するにはどのようなリスクがあるのか、従業員を解雇する場合の弁護士の役割について解説します。
1. 解雇前に弁護士へ相談すべき理由
労働契約法第16条では、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない解雇」は無効とされています。そのため、解雇には以下のようなリスクがあります。
- 不当解雇と判断される可能性
- 労働審判や訴訟を起こされるリスク
これらのリスクを回避するため、解雇前に弁護士に相談し、正当な手続きを確認することが重要です。
2. 弁護士が果たす役割
解雇前の事前相談
- 解雇の正当性の確認
- 改善指導や注意喚起の方法の助言
- 解雇前の証拠収集に関する助言
- 解雇した場合のリスクに関する助言
解雇手続きのサポート
- 解雇通知書の作成支援
- 解雇面談への同席や指導
トラブル発生時の対応
- 労働審判や訴訟への対応
- 和解交渉や裁判での代理人としての活動
3. 不当解雇とされた裁判例
以下は、解雇が不当と判断された裁判例です。
- せとうち周桑バス事件(高松高裁 令和4年8月20日)
うつ病で休職中の従業員を解雇したが、不当解雇とされ、約1,500万円の支払いを命じられた。 - 栄大號事件(大阪地裁 令和4年6月27日)
勤務態度不良を理由に解雇したが、不当解雇とされ、約640万円の支払いを命じられた。 - ニューアート・テクノロジー事件(東京地裁 令和4年3月16日)
経営上の理由で整理解雇したが、不当解雇とされ、約1,500万円の支払いを命じられた。
まとめ
従業員を解雇するには「不当解雇」と判断されるリスクが付きまといます。
しかし、会社を存続させていくためには時として解雇するべき場合があるかと思います。
解雇を決意した場合には、事前に弁護士に相談することで「不当解雇」と判断されるリスクを少しでも減らすことができます。
【監修】

- 代表弁護士
- 年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
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