「みなし残業代込みの給与」「営業手当に残業代を含む」——固定残業代制は広く使われていますが、有効となるための要件は厳格で、要件を欠く場合には想像以上に大きな金額を請求できることがあります。
こんな残業代の未払いが起こりがちです
- 固定残業時間を超えて働いても、超過分が支払われていない
- 何時間分の残業代が含まれているのか、金額の内訳が明示されていない
- 基本給に「残業代込み」とだけ書かれ、区別がつかない
- 固定残業代を理由に、深夜・休日の割増も支払われていない
固定残業代制の落とし穴
固定残業代が有効と認められるには、①通常の労働時間の賃金部分と残業代部分が明確に区別できること(明確区分性)、②その手当が実質的に残業の対価といえること(対価性)が必要で、さらに固定分を超える残業には差額の支払いが必要です。
これらの要件を欠く場合、「固定残業代」とされていた金額も残業代計算の基礎となる賃金に算入されます。その結果、1時間あたりの単価が上がり、かつ残業代が全く支払われていなかったことになるため、請求額が大幅に増えるのです。
残業代請求のポイント
超過分の差額は当然に請求できる
「月20時間分込み」の契約で30時間残業すれば、10時間分の差額を請求できます。固定残業代制自体が有効でも、超過分の未払いがあるケースは非常に多く見られます。
無効な固定残業代は請求額を押し上げる
内訳が不明確、金額が不相当に大きい、実態と乖離しているなどの事情があれば、固定残業代は無効と判断され得ます。無効の場合、その手当を含めた金額を基礎に残業代を計算し直すことになります。
求人票・契約書・給与明細を突き合わせる
求人票の表示、雇用契約書・労働条件通知書の記載、給与明細の項目が食い違っていないかが重要な確認ポイントです。書類が揃っていなくても、弁護士が開示を求める方法があります。
有効な証拠の例
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 給与明細(項目の内訳がわかるもの)
- 就業規則・賃金規程
- 求人票・募集要項の控え
弁護士にご相談ください
固定残業代の有効性の判断には法的な検討が必要です。当事務所の弁護士が契約内容と勤務実態を精査し、適正な残業代を計算して会社との交渉から労働審判・訴訟まで一貫して対応します。
弁護士が窓口となるため、在職中の方でも会社と直接やりとりする必要はありません。まずはお気軽にご相談ください。
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