「管理職だから残業代は出ない」——多くの会社でこうした運用がされていますが、労働基準法上の「管理監督者」に該当する人はごく限られています。実態の伴わない「名ばかり管理職」であれば、残業代を請求できます。
こんな残業代の未払いが起こりがちです
- 店長・課長などの肩書きを理由に、残業代が支払われていない
- 管理職とされているのに、出退勤の時間を管理されている
- 部下の採用・評価などの権限がほとんどない
- 管理職手当はわずかで、残業代が出ていた頃より収入が下がった
「管理監督者」に該当する人は限られている
労働基準法上の管理監督者とは、経営者と一体的な立場で、労働時間等の規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務・責任・権限を持つ人をいいます。会社の「管理職」という肩書きとは別の概念です。
裁判例では、①経営への関与や労務管理上の権限、②出退勤の自由などの勤務態様の裁量、③地位にふさわしい賃金などの待遇——を総合的に判断しており、店長クラスで管理監督者性が否定された例は数多くあります。
残業代請求のポイント
肩書きではなく実態で判断される
採用・解雇・評価の権限がない、本部の指示に従うだけ、シフトに拘束されている——といった実態があれば、管理監督者性は否定されやすくなります。過去の裁判例と照らした検討が有効です。
管理監督者でも深夜割増は発生する
仮に管理監督者に該当する場合でも、深夜労働(22時〜翌5時)の割増賃金は支払われなければなりません。深夜勤務が多い方は、この部分だけでも確認する価値があります。
降格や昇進の前後で比較する
管理職への昇進によりかえって収入が下がっている場合、待遇面から管理監督者性が否定される有力な事情になります。昇進前後の給与明細を保管しておきましょう。
有効な証拠の例
- 給与明細(昇進前後のもの)
- 職務権限規程・組織図
- シフト表・出退勤の記録
- 業務指示のメール・本部からの通達
弁護士にご相談ください
管理監督者性の判断は、裁判例の蓄積を踏まえた専門的な検討が必要な分野です。当事務所の弁護士が勤務実態を精査し、会社との交渉から労働審判・訴訟まで一貫して対応します。
弁護士が窓口となるため、在職中の方でも会社と直接やりとりする必要はありません。まずはお気軽にご相談ください。
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