「年俸制だから残業代は出ない」という説明を受けている方は少なくありません。しかし、年俸制はあくまで賃金の決め方の一つにすぎず、年俸制であることを理由に残業代の支払義務がなくなるわけではありません。

こんな残業代の未払いが起こりがちです

  • 年俸制を理由に、残業代が一切支払われていない
  • 年俸に残業代が含まれると説明されているが、内訳が不明確
  • 賞与部分を含めた年俸の分割払いで、割増賃金の基礎が正しく計算されていない
  • 年俸額が高いことを理由に管理監督者扱いされている

年俸制と残業代の関係

労働基準法の労働時間規制は、賃金が年俸で決められていても適用されます。管理監督者などの例外に該当しない限り、法定労働時間を超えた労働には割増賃金が発生します。

年俸に残業代を含める場合は、固定残業代と同様に、何時間分の残業代がいくら含まれているかが明確に区別されている必要があります。単に「年俸に含む」というだけでは有効とは認められません。

残業代請求のポイント

年俸制でも残業代は発生する

年俸制は残業代を免除する制度ではありません。「年俸制=残業代なし」という運用がされている場合、過去3年分の残業代をまとめて請求できる可能性があります。

「年俸に含む」が有効となる要件は厳格

残業代部分の金額と時間数が明確に区別され、超過分の差額が支払われる運用でなければ、残業代を含む合意は無効と判断され得ます。無効の場合、年俸全体を基礎に残業代を計算し直すため、請求額は大きくなります。

割増賃金の基礎となる金額に注意

年俸を月割りにした額のうち、割増賃金の計算基礎から除外できる手当は法定の項目に限られます。賞与相当分の扱いなど、計算方法によって金額が大きく変わるため、専門的な検証が必要です。

有効な証拠の例

  • 雇用契約書・年俸通知書
  • 給与明細・賞与明細
  • 就業規則・賃金規程
  • 出退勤の記録・PCログ

弁護士にご相談ください

当事務所の弁護士が、年俸の内訳と勤務実態を精査して適正な残業代を計算し、会社との交渉から労働審判・訴訟まで一貫して対応します。

弁護士が窓口となるため、在職中の方でも会社と直接やりとりする必要はありません。まずはお気軽にご相談ください。

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