弁護士なしで慰謝料請求はできる?

「不倫の慰謝料を自分で請求したい」「弁護士費用を払うより自分でやった方が手取りが多いのでは?」——こう考える方は多いです。

結論から言うと、慰謝料請求を自分で進めることは可能です。ただし、証拠の集め方、請求のタイミング、示談書の内容を誤ると、相手に有利な条件で終わるか、後から追加請求ができなくなるリスクがあります。

この記事では、自分で慰謝料請求を進める手順、よくある失敗パターン、弁護士に依頼すべきケースまで、横浜キャピタル法律事務所の弁護士が解説します。


1. 慰謝料請求できるケースとできないケース

不倫・浮気の慰謝料請求が認められるには、配偶者が既婚であることを相手が知っていたこと、肉体関係があったこと、婚姻関係が実質的に破綻していなかったことの3点が基本条件です。

メッセージのやり取りだけでは原則認められません。また、相手が既婚と知らなかった場合や、すでに別居・離婚協議中だった場合は慰謝料が認められにくいです。


2. 慰謝料の相場

裁判で認められる相場は、不倫が原因で離婚する場合は100〜300万円程度、離婚しない場合は50〜100万円程度が目安です。不倫期間・婚姻期間・子どもの有無・相手の収入などによって大きく変わります。相場を知らずに交渉した結果、本来200万円請求できたのに50万円で示談してしまうケースは珍しくありません。


3. 証拠の集め方

有効な証拠はホテルへの出入り写真・動画、ラブホテルの領収書・カード明細、肉体関係を示すLINE・メールのスクリーンショット、探偵の調査報告書などです。相手のスマートフォンを無断で見る、GPSを無断設置するなど違法な方法で集めた証拠は使えない場合があるため注意が必要です。


4. 自分で請求する手順

ステップ1:証拠を確保する

有効な証拠を可能な限り集めます。探偵を依頼する場合は費用と慰謝料の見込み額を比較してください。

ステップ2:内容証明郵便で請求書を送る

内容証明郵便で送ることで、請求した事実・日付の証明と時効の6ヶ月猶予の効果があります。請求書には不倫の事実・証拠の概要・請求金額・支払期限・振込先を記載します。

ステップ3:示談交渉を行う

金額・支払い方法・支払い期限について交渉します。分割払いの場合は後述する公正証書化が必須です。

ステップ4:示談書(合意書)を作成する

示談書には慰謝料の金額と支払い方法、不倫の事実の確認、接触禁止条項、清算条項、違約金条項を含める必要があります。清算条項の文言は特に重要で、範囲が広すぎると後から追加請求ができなくなります。


5. よくある失敗パターン

感情的になってすべての証拠を見せてしまうと相手に対策の余地を与えます。時効(不倫の事実と相手を知った時から3年)を逃すと請求権が消滅します。示談書の清算条項が広すぎると離婚時の追加請求ができなくなります。分割払いを公正証書にしないと踏み倒されても強制執行できません。


6. 弁護士に依頼すべきケース

相手が請求を無視・拒否している場合、証拠が不十分で訴訟を検討している場合、示談金額が大きい(100万円以上)場合、離婚と同時に請求する場合、相手にも弁護士がついた場合は早めに弁護士に相談することをお勧めします。弁護士費用は慰謝料から支払えるケースも多いため、費用対効果を試算してから判断してください。


まとめ:示談書を締結する前に一度確認を

慰謝料請求は自分でできますが、示談書の内容を誤ると後から取り返しがつかなくなります。交渉から依頼しなくても、示談書の内容確認だけでも弁護士に相談することをお勧めします。横浜キャピタル法律事務所では、慰謝料請求に関するご相談を承っています。

【監修】

米玉利大樹
米玉利大樹代表弁護士
年間数百件の法律相談を受け、年間100件以上の法律問題を解決しています。
「より良い解決」「迅速な解決」を大事にしており、個々の事案に適したスピーディな進行・解決を心がけています。
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