「自社の契約形態は本当に請負として成立しているのか?」と不安に感じていませんか。本コラムでは、偽装請負に該当するかを自社でチェックできる10項目のリストと、実務でよくある質問への回答を弁護士がまとめました。
偽装請負チェックリスト10項目
以下の項目に「はい」が多い場合、偽装請負に該当する可能性が高まります。1つでも該当する場合は、契約形態や業務実態の見直しをおすすめします。
- □ 発注者の社員が、請負業者の労働者に直接業務指示をしている
- □ 発注者が、請負業者の労働者の出退勤や勤怠を管理している
- □ 発注者の就業規則・服務規律が、請負業者の労働者にも適用されている
- □ 業務に必要な機材・設備をすべて発注者が用意している
- □ 発注者の社員と請負業者の労働者が、同じ場所で混在して業務をしている
- □ 請負業者に現場責任者がいない、または名目上だけ存在する
- □ 人数単位・時間単位で請負代金が計算されている
- □ 請負業者が独自の技術・ノウハウを持たず、労務提供だけを行っている
- □ 発注者が、労働者の採用・配置・交代を決定している
- □ 契約書上「請負」と記載されているだけで、実態は派遣に近い
3項目以上該当する場合は、労働局の調査や労働者からの申告で偽装請負と認定されるリスクが高い状態です。契約形態を派遣契約に切り替えるか、業務実態を請負として成立するよう見直す必要があります。
偽装請負に関するよくある質問
Q1. 業務委託契約なら偽装請負にはならないのでしょうか?
契約書のタイトルが「業務委託契約」「請負契約」であっても、業務の実態が労働者派遣にあたる場合は偽装請負と判断されます。契約書の形式ではなく、業務遂行の実態(指揮命令関係・労働時間管理・設備調達など)が判断基準となります。
Q2. フリーランスに業務を依頼する場合も偽装請負のリスクがありますか?
フリーランスであっても、実態として発注者の指揮命令下で労務提供をしている場合、偽装請負とみなされる可能性があります。2024年11月施行のフリーランス新法(特定受託事業者保護法)により、適正な取引が求められています。特にフリーランスを常駐させ、発注者の社員と同様の業務をさせている場合は注意が必要です。
Q3. 労働局に偽装請負を指摘された場合、どうなりますか?
まず行政指導(是正指導)が行われ、派遣契約への切り替えまたは直接雇用が求められるのが一般的です。悪質なケースでは企業名公表、罰則の適用、労働者からの直接雇用申込み対応(みなし雇用制度)が発生する場合があります。早期に自主的な是正を行うことで、リスクを大幅に軽減できます。
Q4. 偽装請負を防ぐために最低限やるべきことは何ですか?
(1)契約書で業務範囲・責任分担を明確化する、(2)請負業者の現場責任者を通じてのみ指示を行う、(3)請負業者に独立した設備・機材を使用させる、(4)管理職への定期的な研修を実施する、の4点が必須です。とくに現場管理職への教育不足が偽装請負の温床になりやすいため、研修は最優先課題です。
まとめ
偽装請負の該当性は、契約書ではなく業務実態で判断されます。チェックリストで3項目以上該当する場合は、速やかに契約形態や業務実態の見直しが必要です。
偽装請負の基本的な判断基準・企業対策は「偽装請負とは? 判断基準と企業が取るべき対策」、違反事例・判例や罰則の詳細は「偽装請負の違反事例・判例と罰則」もあわせてご覧ください。自社が該当しないか不安な場合は、早めに弁護士へご相談ください。
【監修】

- 代表弁護士
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