交差点での交通事故の中でも特に多いのが、「右直事故(うちょくじこ)」と呼ばれるものです。これは、右折しようとした車と、対向車線から直進してきた車が衝突する事故です。
事故の衝撃の大きさだけでなく、どちらがどれだけ悪いのか(=過失割合)で揉めやすいのもこの事故の特徴です。事故直後は感情的になりがちですが、冷静に状況を整理し、適切な損害賠償を受け取るためには、過失割合の基準や修正要素を理解することが重要です。
右直事故とは?──実は交差点だけじゃない
「右直事故」とは、右折する車と直進する車の接触事故のことを指します。主に次のような場面で発生します。
- 信号のある交差点で、対向直進車と右折車が衝突
- 信号のない交差点で、優先関係の判断が分かれる場面
- 丁字路(T字路)で右折車と直進車が接触
- 駐車場や施設から右折で道路に出る車と、通行中の直進車が接触
道路交通法上、右折車は直進車の進行を妨げてはいけないため、基本的には右折車側の過失が大きくなりますが、すべてのケースで一方的に右折車が悪いわけではありません。
右直事故の過失割合【基本パターン】
過失割合は、裁判例などを参考にした「基本割合」を出発点として決まります。ここでは典型例をご紹介します。
▼ 信号のある交差点の場合
| 右折車の信号 | 直進車の信号 | 過失割合(右折車:直進車) |
|---|---|---|
| 青信号 | 青信号 | 80:20 |
| 右折時に黄信号 | 黄信号 | 60:40 |
| 赤信号(矢印で右折) | 赤信号 | 0:100 |
※「右折の青矢印」は直進車の進行を禁止しているため、直進車に100%の過失が問われることもあります。
▼ 信号のない交差点や丁字路
- 右折車が道幅の狭い脇道から広い道路へ → 右折車:80、直進車:20
- 幹線道路を直進する車と、非幹線から右折する車 → 右折車:90、直進車:10
- T字路で道幅が同じ場合 → 右折車:70、直進車:30
過失割合が「修正」されるケース
実際には、事故の詳細な事情によって過失割合は修正されます。以下のような事情があると、各当事者の責任が重く(または軽く)見られることがあります。
【右折車側が不利になる事情】
- ウインカーなしで右折(+10%)
- 右折禁止の場所で右折(+5~20%)
- 直進車がすぐ近くにいるのに強引に右折(+10%)
- 交差点の中心を通らずショートカット右折(早回り)(+5~15%)
【直進車側が不利になる事情】
- 速度超過(+5~10%)
- 徐行義務違反(交差点で減速しない)(+10%)
- 右折車が既に交差点内にいた(既右折)(+10%)
- 幹線道路での合流・退避中に右折車が待機していた場合(+10%)
【双方に責任がある場合】
- 著しい過失(脇見・スマホ注視など)
- 重過失(酒気帯び・無免許・居眠り運転など)
→ 最大で20%程度の過失修正が加えられることがあります。
被害に遭ったときは、まず「証拠」と「相談」を
事故直後の対応次第で、その後の損害賠償額は大きく変わる可能性があります。以下の点を押さえておきましょう。
事故直後にやるべきこと
- ドライブレコーダー映像の保存
- 現場・車両の写真撮影
- 目撃者の確保・連絡先のメモ
- 相手方の発言を録音(できれば)
- 警察への届出と実況見分
保険会社の「提示」に納得できないときは弁護士に
保険会社は、独自の判断で過失割合や示談金額を提示することがあります。しかし、その内容が法的に正しいとは限りません。
弁護士に相談するメリット
- 裁判例に基づいた適正な過失割合の主張が可能
- 慰謝料・逸失利益など、正当な賠償額の請求ができる
- 面倒な保険会社との交渉を一任できる
- 精神的負担を軽減し、安心して対応できる
とくに「過失割合でもめている」「相手側の言い分に納得がいかない」というケースでは、早めの相談がトラブル回避の鍵となります。
まとめ
右直事故は発生件数が多く、責任の所在を巡って争いになりやすい事故類型です。
事故状況に応じた過失割合の修正要素や、相手方・保険会社との交渉の仕方など、専門的な判断が必要になる場面も多くあります。
「どう見ても自分は悪くないはずなのに、8:2って言われた…」
「事故のとき、相手がスピードを出しすぎていた」
そんなときは、一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。
よくある質問
Q. 隣地工事で家の壁にひびが入りました。誰に請求すればいいですか?
工事を実施した施工業者・元請業者、および発注者(土地所有者・建設主)が損害賠償責任を負う場合があります。契約関係や過失の程度によって責任の所在が変わるため、弁護士に状況を相談することをお勧めします。
Q. 工事前に「現状確認書」を作っていません。証拠はどうすればよいですか?
工事前の確認書がなくても、近隣住民の証言・工事記録・写真・建築士の鑑定書などで損害と因果関係を立証できる場合があります。できるだけ早く被害状況を写真・動画で記録し、弁護士にご相談ください。
Q. 損害賠償請求できる金額の目安はどのくらいですか?
修繕費用・仮住居費用・精神的苦痛に対する慰謝料などが請求対象になります。金額は損害の規模と立証内容によって異なります。建築士の見積書を証拠として提出することで、適正な賠償額を主張できます。
Q. 工事業者が「当社の工事が原因ではない」と言っています。どう対応しますか?
工事と損害の因果関係は建築専門家(一級建築士等)の鑑定が有力な証拠になります。弁護士を通じた鑑定依頼・証拠保全申立ても有効です。早期に法的手続きを取ることで、証拠隠滅を防ぐことができます。
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【監修】

- 代表弁護士
-
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