「退勤から翌日の出勤まで一定の休息時間を確保する」──勤務間インターバル制度の義務化が、いよいよ現実味を帯びています。現在は努力義務にとどまりますが、労働基準法の大改正に向けた議論で義務化が提言されました。本記事では、制度の内容と企業が今から取るべき対策を解説します。

勤務間インターバル制度とは

勤務間インターバル制度とは、1日の勤務終了後から翌日の始業までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設ける制度です。EU諸国では11時間のインターバルが法的に義務付けられていますが、日本では2019年の働き方改革関連法により努力義務として導入されたにとどまっています。

義務化はいつから?最新の動向

2024年末に公表された「労働基準関係法制研究会」の報告書では、インターバル11時間の確保を義務化する方向性が示されました。ただし、2025年12月に労働基準法改正法案の通常国会への提出は見送られ、2027年以降の施行が見込まれています。

法案提出は見送られましたが、義務化の方向性そのものは変わっていません。

導入が遅れている現状

2024年時点で、勤務間インターバル制度を「導入している」企業はわずか5.7%。「導入予定なく検討もしていない」が78.5%と大多数を占めます。義務化に備えた早期対応が競争優位につながるともいえます。

企業が今から取り組むべき4つのステップ

① 勤怠データの現状分析
まず自社の勤怠データを分析し、実際のインターバル時間を把握します。深夜残業や早朝出勤が多い部署を特定し、リスクの高いポイントを洗い出しましょう。

② 就業規則への明記とシフト再設計
インターバル時間のルールを就業規則に明記し、シフト制の部署ではインターバルを確保できる勤務割を再設計します。「就業規則を変えるだけ」では不十分で、実際のシフト運用まで見直す必要があります。

③ 勤怠管理システムのアラート設定
勤怠管理システムにインターバル違反のアラート機能を設定し、管理者が即座に把握できるようにしましょう。多くの主要な勤怠システムは既にこの機能に対応しています。

④ 管理職への教育
現場の管理職がインターバル制度の意義と運用ルールを理解していなければ、制度は機能しません。定期的な研修やガイドラインの周知が重要です。

特に注意が必要な業種

医療・介護、飲食・宿泊、物流・運送などの業種は、24時間体制や交代勤務が多く、インターバル確保の難易度が高い分野です。助成金の活用も含め、早めの対策が求められます。

まとめ

勤務間インターバル制度の義務化は「いつ施行されるか」ではなく「施行されたときに対応できるか」がポイントです。助成金が活用できる今のうちに、無理のない範囲から段階的に導入を進めることが、企業と従業員の双方を守る最善策といえるでしょう。

【監修】

米玉利大樹
米玉利大樹代表弁護士
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